腰痛の犯人は「股関節」だった。整体師26年が教える腰と股関節の深い関係
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腰痛の犯人は「股関節」だった。整体師26年が教える腰と股関節の深い関係
腰痛なのに、なぜ股関節?
前回の記事で「腰痛の原因が腰そのものにあるのは全体の約3割」というお話をしました。では残りの7割の原因はどこにあるのか。その最も多い答えが**股関節**です。
「腰が痛いのに、なぜ股関節が関係するの?」と思われる方も多いでしょう。実はこれ、体の構造を理解するととても納得できます。今回は腰と股関節の深い関係について、26年間の施術経験をもとに詳しくお伝えします。
股関節とはどんな関節か
股関節は骨盤と太ももの骨(大腿骨)をつなぐ関節で、体の中心に位置しています。上半身と下半身の橋渡し役であり、歩く・走る・しゃがむ・立ち上がるなど、あらゆる動作に深く関わっています。
健康な股関節は非常に広い可動域を持っています。前後・左右・回旋と、様々な方向に動くことができます。この広い可動域があるからこそ、人間は複雑な動きができるのです。
ところが現代の生活スタイル——長時間のデスクワーク、車移動、ソファでの長時間座位——によって、多くの方の股関節は少しずつ硬くなっています。問題は、硬くなっていることに本人が気づきにくいという点です。
股関節が硬くなると腰に何が起きるか
股関節が硬くなると、本来股関節が担うべき動きを腰が代わりに引き受けることになります。
たとえば前屈みになる動作を考えてみてください。本来この動作は、股関節が前に曲がることで行われます。ところが股関節が硬くて曲がりにくい場合、腰を過剰に曲げることでその動作を補おうとします。
この「補い」が日常生活のあらゆる場面で起きていると、腰への負担は慢性的に蓄積されていきます。一度や二度の過負荷ならすぐ回復できますが、毎日毎日繰り返されることで、腰の組織がじわじわとダメージを受け、やがて痛みとして現れてくるのです。
整体師の目線でいうと、腰痛で来院される方の股関節を確認すると、ほぼ例外なく硬さや左右差が見られます。腰を直接触る前に股関節の状態を確認するだけで、その方の腰痛の原因がかなり見えてきます。
なぜ股関節は硬くなるのか
股関節が硬くなる主な原因は「使わない」ことです。
股関節は本来、広い可動域を活かして動くように設計されています。しかし現代人の多くは、股関節の可動域をほとんど使わない生活をしています。
デスクワークで座り続けていると、股関節は常に約90度に曲がった状態で固定されます。この状態が続くと、股関節まわりの筋肉(特に腸腰筋・梨状筋・内転筋群)が短縮し、硬くなっていきます。
さらに厄介なのが、股関節まわりの筋肉が硬くなると骨盤の位置にも影響が出てくることです。骨盤が前に傾いたり(前傾)、後ろに傾いたり(後傾)することで、腰椎のカーブが変化し、腰への負担が増大します。
「最近運動不足だな」と感じている方、一日中デスクに向かっていることが多い方は、股関節の硬さが腰痛の一因になっている可能性が高いです。
股関節の硬さをセルフチェックする方法
ご自身の股関節の状態を確認できる簡単なチェック方法をご紹介します。
**チェック1:開脚テスト**
床に座って両足を左右に広げてみてください。痛みなく90度以上開ければ問題ありません。60度程度しか開かない、または左右どちらかが明らかに開きにくい場合は、股関節の硬さや左右差がある可能性があります。
**チェック2:股関節回旋テスト**
椅子に座った状態で、片方の足首を反対の膝の上に乗せてみてください(いわゆる「4の字」の形)。膝が床に対して水平に近い高さまで下がれば問題ありません。膝が高い位置で止まってしまう場合、股関節外旋の動きが制限されています。
**チェック3:しゃがみテスト**
足を肩幅に開いた状態でしゃがんでみてください。かかとが床についた状態でしゃがみ込めない場合、股関節の硬さ(加えて足首の硬さ)が考えられます。
これらのチェックで硬さを感じた方は、股関節のケアを生活に取り入れることをおすすめします。
股関節を柔らかくする簡単なストレッチ
股関節のケアは難しいことをする必要はありません。毎日少しずつ動かし続けることが大切です。
**ストレッチ1:股関節の屈曲ストレッチ(1分)**
仰向けに寝て、片膝を胸に引き寄せます。両手で膝を抱えながら、ゆっくりと胸に近づけていきましょう。腰から股関節にかけて伸びる感覚があればOKです。左右それぞれ30秒キープ。
**ストレッチ2:股関節の外旋ストレッチ(1分)**
仰向けに寝て、片足を「4の字」にします。反対の膝を両手で抱えながらゆっくり胸に引き寄せます。お尻の奥が伸びる感覚があればOKです。左右それぞれ30秒キープ。
**ストレッチ3:股関節の前面ストレッチ(1分)**
片膝を床につけた状態(ランジのポジション)から、上体をゆっくり前に傾けます。前の股関節の付け根が伸びる感覚を確認してください。左右それぞれ30秒キープ。
これらを毎日続けることで、股関節の柔軟性が少しずつ改善されていきます。腰痛の予防・改善にも効果が期待できます。
股関節だけでなく「足元」にも目を向けて
実はここからがさらに重要なポイントです。
股関節が硬くなる原因の「足元」には、足首の硬さがあります。足首が硬いと、歩行時の衝撃吸収がうまくできず、その振動が膝→股関節→骨盤→腰へと伝わっていきます。
体の問題は必ず「連鎖」しています。股関節だけをケアしても、足首の硬さが残っていれば、また股関節は硬くなっていきます。この「連鎖」を上流からほぐしていくことが、根本改善への近道です。
足首と腰痛の関係については、別の記事で詳しくお伝えします。
まとめ
今回のポイントをまとめます。
腰痛の最も多い原因の一つが股関節の硬さです。
股関節が硬くなると、本来股関節が担う動きを腰が代わりに引き受け、慢性的な負担につながります。
現代の生活スタイルは股関節を硬くしやすく、多くの方が気づかないうちに腰への負担を蓄積させています。
セルフチェックとストレッチで股関節の状態を改善することが、腰痛改善の大きな一歩になります。
次回は「その座り方、腰を壊しています」というテーマで、整体師から見たNG姿勢と正しい座り方について詳しくお伝えします。
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